" /> 老人ホームのエピソード。脱走を繰り返す認知症の入居者さん。 - ポジティブ介護士コミティのブログ

老人ホームのエピソード。脱走を繰り返す認知症の入居者さん。

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介護職エピソード

老人ホームでは認知症の方がたくさん暮らしています。

でも見た目が、本当に認知症を患ってるとは思えないくらい、しっかりして見える方がいるんですよね。

老人ホームで働く介護職さんでも、自分の担当するフロア以外の入居者さんの顔と名前をみな覚えている方は少ないんじゃないかなと思うのです。

そのため、ご家族が面会に来て帰られる時に、利用者さんも一緒にフロントで一緒に集まっていたら、全員面会に来られた家族さんだと思ってしまったこと…あります…よね?

当時勤めていた住宅型有料老人ホームは、出入口のロックがかかっていて、事務所内の開錠ボタンを押すことで開くことになっていました。

開錠ボタンを押すと開いてしまうので、よく確認もせずに開けてしまうと脱走されてしまいます。

考えると恐ろしいことですよね。

確認の上の確認ですよ。

この記事では昔あったちょっと怖かった脱走エピソードを紹介したいと思います。

認知症に見えない入居者、Hさん

脱走した後、万引きで捕まって保護

Hさんは80代の男性入居者さんで、要介護3ですが、見た目はとてもジェントルマンで、毎日スーツを着ておられました。

とても丁寧な言葉遣いで、礼儀正しい方ですが、かなりの認知症でした。

週3回はデイサービスに行かれていましたが、デイサービスに行かない日は、よく施設内を歩き回られており、1階のフロントの椅子に座っていることが多く、事務所から見守りをするのが必須です。

しかしそれでも何度か姿を消すことがあり、毎回大騒ぎしていました。

たいていはホーム内のどこかで見つかるのですが。

でも、その日はいくら探しても見つかりません。

「Hさんがいない!探して探して!」と職員は大騒ぎです。

そして面会リストを確認すると、別のフロアの入居者さんの家族が、5人面会に来られていたのがわかり、帰られる際に解錠ボタンを押したのは、別のフロアのパートの介護職さんだったことが判明。

ナースコールが鳴っていたため、ご家族が出れるように急いで解錠ボタンを押して、コール対応に戻ったとのこと。

Hさんがその時にフロントにいたら、その面会のご家族にまぎれて、ホームの外に出てしまった可能性大です。

急いで警察とご家族に連絡しました。

Hさんの奥様は既に他界されており、お子様はいませんでしたので、キーパーソンは姪御さんでした。

この姪御さんは普段から、苦情の多い方だったので、当然ご立腹。

近隣を探し回るが見つからず、3時間ほど経った頃でしょうか。

警察から保護の連絡がありました。

しかし、保護されたのは、大阪市内の繁華街。しかも万引きで捕まっていました💧

ホームの場所は大阪府でも市外で、保護された場所は、電車に乗って終点まで乗らないと行けない場所でした。

Hさんはお金を持っていたようで、ホームを出てからひたすら歩き、駅があったから電車に乗り、終点まで行ったのでしょう。

駅を降りたHさんはきっと彷徨ったに違いありません。

だって大阪市内の繁華街なんて、人もたくさんいて、ホームのある場所とは雰囲気がまったく違いますからね。

しかし、見た目はスーツを着て、背筋もよく、シャキシャキ歩くHさんを誰も認知症とは思いません。

老人ホームに入居している方には見えないと思います。

そして、道行く人たちと同じように歩き、おいしそうなお菓子に目が留まり、そのお店に入りました。

お店の方は、最初は認知症だなんて全くわからなかったけれど、堂々とお店のお菓子を鞄に入れていくので、びっくりしたそうです。

万引きで捕まって、取り調べにはものすごく丁寧な言葉使いで答えていたらしいです。

しかし受け答えが意味不明になってきたため、お店の方が警察に連絡し、Hさんだと判明、保護されました。

そして、職員が迎えに行きました。

座って待っていたHさん、職員を見て「お疲れ様です」と笑顔で言ったそうです😅

面会室の窓から脱走。真冬の夜、凍死寸前で保護。

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Hさんは一見若々しく、入居者に見えないので、新しい職員や、厨房のパートさんは、気付かないと言うことが多々あり、デイサービスに行かない日は要注意人物として全職員に周知徹底。

それでも、Hさんのデイサービス日以外で、朝のデイサービスのお迎え時間に、デイサービスに行く方たちに紛れて出てしまい、職員が追いかけ連れ戻したりということもありました。

またこのホームは従業員専用出入り口がなく、誰もがホームの正面玄関から出入りすることも、脱走原因のひとつだったと感じます。

しかし次の脱走は正面玄関以外の場所、面会室の小窓から脱走した話しです。

その日は冬の寒い日でした。

Hさんはいつものようにフロントで座っていましたが、事務所では職員が目を光らせています。

そしてHさんは自分の部屋に戻ったり、食堂でテレビを見たり、のんびりと過ごしていました。

入居者さんの昼食が終わり、Hさんも居室に戻り横になったのを確認していたのですが、なんとその後に姿が見えなくなるという事態が起こります。

今日は面会もなく、業者の出入りもない。

従業員が出入りをする際には注意を徹底していたのにも関わらずです。

そしてホーム内を探すと、面会室の小窓が開いているのを発見

小窓ですよ。

しかも何かに乗らないとそこから出るのは無理だろうと言う高さにある小窓です。

まさかここから?と目を疑いましたが、もうそこしか考えられません。

またまた警察と姪御さんに連絡し、捜索開始です。

姪御さん

もちろん姪御さんはご立腹です。

近隣を探すけど、見つからず、本人はお金をいくらか持っているので、また電車に乗ってしまってるかもしれない。

何より心配なのは、この冬の寒い日に、コートも着ずに、外に出てしまって、長時間彷徨ったらどうなるのだろう…

考えると恐ろしいことです。

そして時間が刻々と過ぎ、夜になってしまいました。

ようやく保護したとの連絡がホームにあったのは夜の9時を回った頃。

見つかったのは大阪から出て、奈良市内でした。

面会室の小窓から出たHさんは、そのまま歩いて駅に着き、前回と反対のホームから電車に乗り、奈良まで行ったようです。

駅から出て、近隣を歩き回り、迷ったのでしょう。

暗くなってきて、小雨も降り始め、明かりのある自動販売機のそばで、うずくまり寒さで震えていたところを、巡回中のおまわりさんが発見し保護したとのこと。

職員が車で迎えに行くと、今回は笑顔で…と言うことはなかったですが、「ありがとうございます」と丁寧に言われ、一緒にホームまで帰りました。

温かいうどんを出すと、寒さと空腹のせいもあり、すぐに完食され、その後はぐっすり😴

朝には何事もなかったかのように、スーツを着て、爽やかな笑顔で「おはようございます」と挨拶してくれてました。

大事に至らなくて、本当によかったです。

発見が遅れていたら、凍死してたかもって思うと、怖い出来事でした。

最終的に退去される

Hさんはかなり認知症が進行していましたが、身の回りのことはわりとできていました。

しかし認知症の進行と共に、衣類の着脱や排泄にも介助が必要になってきて、リハパンを履いていなかったり、共有トイレの手すりに汚染パットを掛けて出たり、介助が必要になることも増えてきました。

この住宅型老人ホームには居室にはトイレがないため、共有のトイレを使用しなければいけません。

Hさんはこの共有トイレを男性用だと思いこまれ、女性が利用しているのを見ると注意しに行くこともありました。

しだいに他の入居者からの苦情が増えてきます。

時々キーパーソンの姪御さんと一緒に外出されていましたが、Hさんの認知症が進んでることをなかなか理解してくれず、ホームに来られる度に、あれができてない、これができてないと苦情を言われます。

そして最終的に「もうこんなとこは出て行きます。これからは家で一緒に暮らします!」と、びっくり仰天な宣言をして、本当に退去されてしまいました。

連れて帰ったら大変ですよ…

ホームの職員は全員思っていましたが、姪御さんがそういうのだから仕方がありません。

姪御さんは神経質な方で、常にイライラしているような感じの方だったので、認知症を患っているHさんを連れて帰ったらどうなるのか、恐ろしいことだなと思いました。

その後のことはわかりませんが、穏やかに過ごされたと信じたいです。

まとめ

このHさんは認知症を患ってしまいましたが、元々はとても常識的でやさしいジェントルマンだったと思います。

居室には若かりし頃のモデルのようなきれいな奥様の写真が飾られていました。

お子様には恵まれませんでしたが、とても仲のいいご夫婦だったようです。

居室にはケースに入ったトランペットもありましたよ。

「あなたにこれをあげます」とトランペットを出された時は困りましたけどね。

認知症の方が老人ホームを脱走することは、あってはいけないことだけれど、決して珍しいことではありません。

私たちもびっくりするような行動をされることがあります。

きっと行かなければと言う強い思いがあり、行くのだと思います。

しかし、一旦出てしまうと、外は危険がいっぱいで、事故に巻き込まれ、命を落とす可能性もありますので、施設に勤める職員は気を引き締めて見守っていかないといけませんね。

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